東京メトロ有楽町線「護国寺」駅から徒歩10秒の場所にある「日本大学豊山中学校・高等学校」。男子校で唯一の日本大学付属校です。地上11階建ての校舎では日本大学が掲げる「自主創造」の教育理念のもと約2300人の男子が学んでいます。2025年4月に校長に就任された梅田髙司先生のインタビューと、放課後の部活動に励んでいる体操部と放送部を取材させていただきました。取材日:2025年7月15日

私立の中学校や高等学校を探しているご家庭にとって「どんな環境で我が子が過ごすのか」は、最も気になるところではないでしょうか。日本大学豊山中学校・高等学校の梅田校長先生のお話からは、男子校ならではのおおらかな雰囲気と、自主創造の教育が見えてきました。
― 校長 梅田先生インタビュー
新入生の表情が、どんどん明るくなる日々
4月に入学したばかりの新入生たちは、まだ少し緊張した様子でしたが、夏が近づく今では休み時間に笑い声が響く、元気いっぱいの毎日を送っています。友達とすぐに打ち解けられるのは、男子校の良さですね。教室でも廊下でも、活気のある声が聞こえてきます。中学から高校までを男子だけで過ごす環境は、実は全国の学校のわずか2%。だからこそ、ここでしか得られない経験があります。
礼儀・けじめ・あいさつ ― 男子が人として育つ基本を大切に
本校が大切にしているのは、「人としての土台」を築くことです。毎日の挨拶や、定期的な服装・頭髪指導を通じて、礼儀やけじめの感覚を育てていきます。社会に出たとき、きちんと挨拶ができる人は、どこでも信頼され、愛されます。だからこそ、学校生活で当たり前のことを積み重ねることが大切だと考えています。
首都圏広域から通学。アクセスの良さと多様な友人関係
学校は東京メトロ有楽町線の沿線にあり、池袋や飯田橋方面からのアクセスが良好です。加えて、JRや私鉄を使って埼玉・神奈川・千葉・茨城など、首都圏全域から生徒が集まっています。私立校ならではの、地域を超えた交友関係が広がるのも大きな魅力です。互いの違いを認め合いながら、仲間としてつながっていく姿を、日々感じています。
中学1年は“バランス重視”で安心スタート
中学入学時のクラス分けは成績順ではなく、6クラスすべてがバランスよく構成されるよう配慮しています。初めての私立中学生活でも不安を感じにくい体制です。学力面では基礎の定着を重視し、日々の学習は、教科書レベルをしっかり理解することを目指しています。得意を伸ばすだけでなく、苦手な教科にも向き合える力をつけておくことが、将来の進路選択の幅を広げてくれることでしょう。
「心のケア」も日常のなかに。身近なスクールカウンセラー
心の成長を見守る体制も整っています。4名のスクールカウンセラーが在籍しており、生徒相談室だけでなく主に中学の教室フロアに出向いて、普段の様子を見守りながら声をかけたり、必要に応じてサポートを行っています。
「相談室に行くのはハードルが高い」という生徒にも、自然に関われるような距離感を大切にしています。保護者からの相談も予約制で対応可能なので、家庭との連携も安心です。
英語で“伝える力”を。ネイティブ講師と放課後の会話も
スピーキング力を高める取り組みとして、毎年「英語スピーチコンテスト」を開催しています。各クラス代表が、オリジナルのスピーチを全校生の前で披露します。また、放課後にはコモンスペースにてネイティブ講師と自由に会話ができる時間があり、生徒たちは楽しみながら英語を使っています。大学入試でも英語面接のある学部が増えている今、こうした経験は大きな強みになっています。
横と縦のつながり。部活動で得るもの
部活動は仮入部期間を経てから正式な所属部を決めることができます。運動部・学芸部ともに13種類ずつと選択肢が豊富で、「部活に入りたくてこの学校を選んだ」という生徒も少なくありません。部活動では、仲間との連携や上下関係の中での学びも深まります。中高合同の部もあり、先輩から受け継ぐ伝統や姿勢が、成長につながっていきます。好きなことに全身全霊で打ち込めること。それが、豊山での大きな財産になると信じています。
「自主創造」―それが本校の教育の軸です。
自分で考え、行動し、未来を切り拓く力を育てるために、私たちは日々、生徒たち一人ひとりの可能性と向き合っています。先日、本校の生徒が部活動の帰り道で、体調を崩した外国人の方を見かけました。生徒達はすぐに救急車を呼び、到着するまでの間スマホを使って外国語を翻訳しながら寄り添い、落ち着いた対応を見せたそうです。この出来事は、様子を見ていた方が学校にご連絡をくださり知ることとなりました。自ら考え、行動に移せた生徒達の姿に、成長と頼もしさを感じた出来事でした。
[体操部] 体を動かす楽しさと、仲間との絆を育む場所


🎉体操部に入ったきっかけ🎉
中学体操部は、運動が好きな生徒たちが集まり、日々楽しく、そして真剣に活動しています。自分は、小学1年から5年まで体操を習っていた経験があり、体験入部で他の部活動も見ましたが、人数が多すぎず、落ち着いて練習できる体操部を選びました。
🎉体操をやっていてよかったこと🎉
体育大会の部活動対抗リレーでは、途中で技を披露し「かっこいい!」と声が上がるほど盛り上がりました。また、新しい技ができるようになった時の達成感は、何にも代えがたい喜びです。最近では、パリ五輪の男子体操での逆転優勝にも大きな感動を受け、さらにやる気が高まっています。
👫先輩・後輩の関係も良好です👬
中学・高校合同で練習をしているため、先輩との距離も近く、和気あいあいとした雰囲気の中で活動しています。技術面だけでなく、礼儀や協力する姿勢も自然と身につきます。




「自分が夢中になったこの場所で、今は教える立場に」
―体操部 顧問齊藤先生インタビュー
実は私自身、この豊山の体操部で青春を過ごしていました。体操の魅力に取りつかれて、卒業後は“この学校で体操を教えたい”という想いが強くなり、教職の道を選びました。そして今、こうして顧問として部員たちと汗を流せる日々は、本当に幸せです。
大切にしているのは、“初心者でも安心して挑戦できる部活”であること。
入部する生徒の多くは体操未経験ですが、心配はいりません。経験者も初心者も、一緒に取り組む風土がこの部には根づいています。筋力や柔軟性など、基礎から丁寧に指導しています。中学では主に4種目、高校に進むと6種目の演技を練習。ステップを踏みながら着実にレベルアップしていきます。
今は大会に向けて生徒たちのモチベーションも上がってきています。
今年5月4日に行われた関東高等学校体操競技大会東京都予選で、髙田涼介(高3)が個人で4位通過し、関東大会への出場権を獲得しました。これで高校体操部としては2年連続の関東大会出場となります。日々の努力の成果が形となって表れたことを、私自身とても嬉しく思います。

[放送部] 裏方で支える、でも主役級にカッコいい!

照明でステージを演出!文化祭では“影の主役”に
放送部の大きな見せ場のひとつが、文化祭のステージ演出。アリーナでの発表やパフォーマンスを、照明や音響で盛り上げます。「裏方だけど、照明のタイミングがバッチリ決まったときの一体感は最高!」と語るのは放送部 部長の木村さん。目立たなくても、観客の心を動かす存在―それが放送部です。
声の力を鍛える毎日。発声練習は腹筋勝負!
もちろん、声で伝えるトレーニングも欠かしません。毎日の発声練習では、ただ声を出すだけでなく、「腹筋にしっかり力を入れて、はっきり届ける」ことを大切にしています。

音声編集中!テーマは「音楽で味覚が変わる!?」
この日の活動は、音声の編集作業。テーマは「音楽が食べ物の味に与える影響」テンポの速い曲を聴くと、食感がサクサクに感じられたり、低い音を聴くとソースの味が濃厚に感じたり…そんな不思議で面白い内容を、音声でどう表現するかを考えながら、編集ソフトとにらめっこ中です。

高校生たちは放送作品の企画会議で案出しをしています。どんなテーマにするか、どんな構成が伝わりやすいか、意見を出し合いながら試行錯誤しています。アイデアを出し合う時間そのものがとても楽しく、部員同士のチームワークも自然と深まっていきます。

小川さんはドラマの脚本を考えています。自分がなりたい職業があるけれど、職業適性検査では“教師”が向いていると言われ、親もその道を望んでいる。夢と現実。期待と自分らしさ。 その狭間で揺れる物語を考えています。放送部では、こんなふうに「自分の想い」を形にすることができます。


鈴木先生
中学放送部は6月8日に行われた「東京都中学放送コンテスト(NHK杯全国中学放送コンテスト東京都大会)」のラジオ番組部門で初めて優勝し、8月の全国大会への出場が決まりました。日々の積み重ねが実を結び嬉しく思っています。放送部では、生徒たち自身が企画から収録までの流れを計画し、責任を持って取り組んでいます。ただ頑張るだけでなく、「楽しむときは思い切り楽しむ、やるべきときはしっかりやる」そんなメリハリのある姿勢を大切にしています。部活動を通して、主体性やチームで協力する力、そして表現する力が育っていく様子を、私たち顧問も誇らしく感じています。将来どんな分野に進んでも、この経験はきっと力になると信じています。
基本情報
住所:東京都文京区大塚5丁目40-10
アクセス:東京メトロ有楽町線「護国寺駅1番出口」より徒歩すぐ
電話番号:TEL:03-3943-2161(代) FAX:03-3943-1991