独自のR-プログラムで、自己PRやプレゼンテーション能力も向上「立正大学付属立正中学校・高等学校」

お知らせとことこ学校訪問記

日蓮聖人の教え「行学二道」を建学の精神としている「立正大学付属立正中学校・高等学校」。宗教の授業や仏教行事の講話で「心の軸」も育んでいます。Research(調べる) Read(読み取る) Report(表現する)の3つのスキルを伸ばすR-プログラムを継続的に行い、数多くのコラムに触れ、広い視野と表現力の向上が、大学受験で必要な自己PRやプレゼンテーション力にもつながっています。中学2年生に校内を案内していただき、R-プログラムについて進路指導部長の平林先生にお話を伺いました。取材日:2023年6月23日

中庭テラスを中心に配置された施設

立正大学附属立正中学校・高等学校は、2013年4月に現在の大田区・西馬込に移転新設した校舎を訪問しました。円形の「中庭テラス」を取り囲んで、教室だけでなく「アリーナ」「プール」「武道場」「テニスコート」「ランチルーム」「図書ルーム」など、学校生活の場が、どこにも行きやすく配置されています。

緑や木の素材をたくさん使い、温かみのある校舎を中学2年生の西垣さんと堀田さんが案内してくれました。

「中庭のテラスではお昼を食べたり、放課後はおしゃべりをしたり、みんなの憩いの場になっています」(堀田さん・写真左)

5万冊の蔵書がある図書館。「個別ブースやグループ学習スペースもあるので自主学習にも最適な環境です」(西垣さん・写真左)

公認競技と同じ規格の室内プール。先進の滅菌方式も採用しているので安心して泳ぐことができます。

都内にありながら約5300㎡の広さをもつグラウンド。ほぼ全面が人工芝です。

2人にとって立正の好きなところはどんなところですか?

「僕はバスケットボール部の部長をしていますが、立正の良いところは、先生同士が仲が良くて、先生と生徒もとてもいい関係なことです」(西垣さん)

「バレーボールがやりたくて立正に入学しました。学内の施設が充実していて、遠くまで移動せずにおもいっきり練習ができます」(堀田さん)

R-プログラムのコラムリーディングとスピーチ

R-プログラムについて、高校教頭 進路指導部長 平林 重郎 先生にお伺いしました。

立正大学付属立正中学校・高等学校 高校教頭 進路指導部長 平林 重郎 先生 

R-プログラムは立正のRでもあり、立正の教育全般を指すプログラムです。「コラムリーディング」は、中学1年生からスタートし、新聞の社説やコラムなどを読み、読んだ感想や意見を自分の言葉でまとめます。次はそれをクラスメートの前で「1分間スピーチ」として発表します。

生徒さんたちの反応はいかがですか?

今の生徒たちは、自由な時間を映像文化を見て過ごしていますから、興味が無い文章を読むことに最初はとても苦労しています。朝のショートホームルームを利用して短時間でも継続的に行うことで、徐々に力がついていきます。

色々な分野のコラムを読むうちに少しずつ知識が蓄積されて、例えば文学と医学など異なる分野がどこかでつながったりするような面白さを知ることも、この取り組みの面白さです。

高校になるとテーマも時事的なものになっていき、表やグラフを用いたデータ分析資料を活用して自分なりの意見に説得力を持たせる発表に発展していきます。この経験は大学入試で必要となる自己PR書を書く力にもつながり、プレゼンテーション力は大学の公募推薦などでも大変良い結果につながっています。

ICT機器も活用して、アクティブラーニングを積極的に行う。

R-プログラムのリサーチ力がキャリアデザインにつながるのでしょうか?

生徒たちに目標を持った進路選択をしてほしいという思いから「キャリアデザインプログラム」に力を入れています。将来に対する意識を高めるために、中学生は「社会を知る」ことから始めます。

1年生の「職業講話」では、社会で活躍している6~7名の卒業生が、在学していた時の話や、現在の仕事内容をわかりやすく話してくれます。

職業講話に映画監督の藤井道人さんが毎年来てくださるそうですね

藤井君は映画監督という仕事柄、映画ができるまでの工程について詳しく話をしてくれ、生徒たちはとても興味深く聞いています。

映画監督 藤井 道人さん。

彼は忙しくなった今でも毎年ちゃんと来てくれます。映画監督としてまだ駆け出しだったころは立正の校舎を撮影場所として提供したりしていました。

彼が33歳の時に監督した『新聞記者』が日本アカデミー賞 最優秀作品賞に輝いて一躍注目を集めた時は驚きました。2023年は『最後まで行く』など3作品が劇場公開されていてすごいですね。

高校時代は剣道部に所属して関東大会に出場するほどの腕前でしたが、厳しい練習の合間に観た映画の世界に魅せられて「日本大学芸術学部」に進学しました。

職業講話で中学1年生を前に話をする藤井さん。

高校3年の進路選択の時には、明確に映画製作という目標を決めていました。教員というものは石橋をたたいて渡るようなところがありますから、リスクについての話はしますけれど、立正の教員は「こうしろ」と決めつけるようなことは言いません。

社会の成り立ちを身近に感じるキャリア教育

職業理解を行っているそうですが、どのような取り組みなのでしょうか。

中学2年生で行う「職業理解」では、物を作る・売る・支える、といった一連の流れ「サプライチェーン」について学んでいきます。「タピオカミルクティー」を例にしますと、原材料は何か?どのような加工が必要か?売るためにはどんな容器が必要で、デザインはどうにしたらいいのか?など、仕事の裏側を掘り下げていきます。

10月の文化祭の時は来場者にアンケートを取ったりして地元に必要な店を考えたりしています。目標としては、本校がある西馬込の商店街の活性化につながるような取り組みにしていきたいと思います。

職場体験は、実際の職場で生徒が働くのですか?

「ユニクロ」で職場体験をしている中学3年生。
「日本橋 天丼 金子半之助」で職場体験している中学3年生。

中学3年生の「職場体験」は、3人から4人の小グループに分かれて実際に働く体験です。最近では「ユニクロ」「日本橋 天丼 金子半之助」などでも受け入れていただきました。生徒たちにとって身近なお店で働くことはとても貴重な体験となりました。また、少し危険が伴う工場などの体験は、なかなか生徒を受け入れてくれません。こんな時は、立正の卒業生がとても力になってくれ、大田区内の工場でも体験をすることができました。

この経験を通して生徒たちは、「いずれ自分も仕事をしてお金を稼がないといけない」という自立心が芽生えてくれます。そのために、学生のうちは勉強をやっておいたほうがいいという考えにつながり、授業に対する本気度が増してくれます。

難関国公立大学の合格者も増加

将来の方向性が定まることで難関大学の合格者が増えたのですか?

学校説明会でも保護者の方にお伝えしますが、本校は難関大学を目指すことを目標にはしていません。社会人になる通過点として大学をとらえています。「とりあえず大学にいく」「とりあえず専門学校に行く」という考えはやめましょうと伝えています。

今の生徒たちは第三者から将来の話を聞く経験が少ないです。そのため高校2年生では「マイナビ進学ライブ」に参加することで、「学び」が将来の「仕事」と、どうつながっているのかを具体的に知る機会を設けています。やりたいことを見つけて方向性が決まってくると、大学だけでなく、行きたい学部まで目標がはっきり見えてきます。

一貫性のある受験をする生徒が増えて、早稲田・慶応などの難関私立大学だけでなく、東工大・京都大など難関国公立大学の合格者も増加してきています。自分が描いた目標に向かって卒業していく生徒を見送るのは誇らしい気持ちになります。

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学校概要
所在地:東京都大田区西馬込1-5-1
アクセス:都営浅草線「西馬込」駅西口下車徒歩5分
電話:TEL:03-6303-7683(受付時間:平日8:00~17:00)