【ウェビナーレポート】小学校受験志望校選びのポイント

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小学校受験統一模試を幼児教室と共同運営し、幼稚園・小学校受験情報誌の出版なども行う「教育図書21」の代表取締役 新中 義一さんが、「私立小学校フェスタ2023オンライン教育講演会~小学校受験志望校選びのポイント」を行いました。講演内容をレポートします。

2022年、100名以上受験者数を伸ばした3つの学校から人気の傾向を分析

ここ5年間、首都圏61校の私立小学校は応募者数を伸ばしている学校が多いです。コロナ禍が受験の追い風にもなりました。オンライン授業の導入や感染症対策なども含め保護者に安心感を与えたことは大きいでしょう。まず、2022年の私立小学校受験で100名以上受験者を伸ばし、大きな話題になった3校についてお話しします。

1校目は「昭和女子大学附属昭和小学校」です。英語教育に力を入れ、毎年応募者を増やしている人気校です。2023年は小学校に「国際コース」「探求コース」のコース制を導入し、さらに注目を集めることは間違いないでしょう。

2校目は埼玉県にある「西武学園文理小学校」。小・中・高12年一貫教育で、世界のトップエリートを育成して、国際化社会に羽ばたける人材を育成しています。

3校目は「青山学院初等部」。6年生が全員参加して、8泊9日の航程で行われている「洋上小学校」が2022年から復活し人気が戻りました。

驚くほど応募者を集める新設校

2022年4月新設「東京都立立川国際中等教育学校附属小学校」。初年度は1790名の応募者を集め、中央線沿線の私立小学校受験熱が盛り上がりました。2年目はさすがに応募者が落ち着いてきているようです。

2023年4月新設で間違いなく注目を集めるのは「(仮称)開智所沢小学校」でしょう。1年生から5年生を縦割りにした「ホームクラス」でこどもたちのソーシャルスキルを育み、国際バカロレア教育の特色である「教科の枠を超えた探求」活動も重視するなど、最新の教育システムを導入しています。

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はじめての小学校受験

去年の入試では「1校のみ受験」が増えた

ここからは小学校受験の基礎的な部分をお伝えします。願書を出す学校の数は、模試などの志望校調査によりますと3校~5校という結果です。去年の入試傾向では、1校しか受けなかった受験者が多かったのが特徴的でした。コロナが収束に向かい、私立小学校熱が少し落ち着いてきたと考えています。

その一方で、神奈川・埼玉・千葉の私立→東京の私立→東京の国立の受験というパターンでは出願数が10校になるケースもあります。慶応・早稲田・学習院など試験が複数日程あり、出願しないと試験日が確定しないという場合は、とりあえず願書を出しておくという方も多いようです。

月例順に試験を行う学校が多い

慶応は早生まれの幼い女の子から順番に一週間以上にわたって試験を行います。早稲田は4月生まれの男の子から行う場合が多いですが、学校側は事前に情報を提供しませんので、出願してみないと拘束日かわからない。ということもあります。

また、生まれ月に関係なく試験を行った学校では、4月生まれから8月生まれに児童が偏ってしまったという話もあります。

小学校受験の合否は、保護者の教育方針や学校理解が深くかかわる

「少しでも良い環境で学ばせたい」
「地元の学校には行かせたくない」
「ご家族が私立小学校の出身で、ご自分と同じ教育を受けさせたい」
など、応募動機は様々ですが、ご家庭で方針をしっかりと決めて両親の考えがブレないことが大切だと思います。

スケジュールを把握する

私立小学校では、オンラインでの情報配信に力をいれています。ご家庭に居ながら情報収集がしやすくなりました。今後はオンラインと対面での説明会を両方行うようになると思います。合同相談会は効率よく色々な学校の先生と話ができますので、おすすめです。校長先生や入試担当の先生だけでなく、実際に教科を教えている先生と話す機会があると、なお良いと思います。

予約制は、学校側がどの家庭が何回説明会に参加したか知ることができる便利なツールです。学校説明会の予約開始がいつからなのか、スケジュールを把握することが、ご家庭の大事な仕事になります。

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併願校は倍率3倍以内を一つ入れる

私からのアドバイスとして、倍率3倍を切っている学校を併願校に一つ入れることをおすすめします。3倍以内の学校は受験生をしっかり見てくれる傾向にあります。同じ学校で3回受験する機会がある場合は、3回とも出願すると、「そのお子さんは本当に本校に来たい」ということを感じていただけるので、複数出願をおすすめします。

「ピンとくる学校」

合同相談会で気になった学校は、必ず直接学校に足を運ぶことを覚えておいてください。最終的な志望校を決めるときは「ピンとくる学校」を大切にしてください。ご両親がお子様の幸せを考えたうえで、6年間通うことを考え最終的な志望校を選ぶことをおすすめします。

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最後に、参加者からの質問にお答えいただきました。一部をご紹介します。

★年少クラスです。今からやっておいた方がいいことは?
生活力をあげておくことです。自分の物は自分で出す・片づける。洋服や身の回りの支度も自分でできるようにする。洋服を畳んだり、細かなことの繰り返しで手先も鍛えられます。

★少人数の教室で行動観察の授業が無く、心配です。
行動観察では、ルールのある遊びをさせたり、お子さんの言語能力や論理的思考を見たいという学校もあります。教室でスピーカーからの指示を理解するのは、初めてでは難しいと思います。入試の直前でもかまいませんので、行動観察のクラスも受けた方がいいと思います。

★幼児教室に通い親子で疲弊しています。
早めに志望校を決めることをおすすめします。志望校を決めると、やらなくていいことも増えてきます。受験対策のために、あれもこれもやろうとすると、疲れてしまう方も多いようです。志望校選びでは、掲示板系の書き込みは鵜呑みにしないことも大切です。

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